【NEXT 3月特集】 マインドフルネス ヨガ&ピラティス "Yoga"篇
2017.02.25 土 スキルアップ【Yoga】
CASE #1 -『マインドフルネス瞑想』に詳しい松村憲さんに学ぶマインドフルネス
CASE #2 - 心理学的治療に活かす長谷川洋介さんに学ぶマインドフルネス
CASE #3 - ヨガスタジオチェーンのリーディングカンパニースタジオ・ヨギーにおけるマインドフルネス
CASE #4 - フィットネスクラブチェーンオージースポーツにおけるマインドフルネス
CASE #5 - 一流アスリートや芸能人、経営者が通うデポルターレヨガスタジオにおけるマインドフルネス
※特集内容はインストラクター・トレーナーのキャリアマガジン誌「月刊NEXT3月号」でもご覧いただけます。
CASE #4 フィットネスクラブチェーンオージースポーツにおけるマインドフルネス
関西を中心に、「コ・ス・パ」というブランド名で、フィットネスクラブ、テニスクラブ、キッズスクールを展開しているほか、公共スポーツ施設の運営受託などを行なっているオージースポーツ。フィットネスクラブチェーンで初めて「マインドフルネス」という言葉を冠したプログラムを2016年10月にリリースした。
男性のための新コンセプトプログラム
フィットネスクラブでいち早く「マインドフルネス」コンセプトを導入した経緯について、同社マーケティング計画部グループエクササイズ開発チームの吉宗真里さんはこう話す。
当社のクラブでは近年中高年層の男性比率が高まってきているのに対して、スタジオにはほとんど男性向けのプログラムがなく、男性のスタジオ利用率も低い状態にありました。そこで、この層の方々が反応するキーワードを探していたところ、『マインドフルネス』に行き着き、当時の総務部長が当社の人材教育にも採り入れたいと話していたこともあり、導入に向けて調査をスタートしました。
マインドフルネスは、心の健康に繋がる瞑想法ですが、フィットネスクラブとして、科学的でフィジカルなアプローチがしたいと考えました。そして、このコンセプトに最も近い〝マインドフルネスヨガ〞を提供していた中島正明さんと共同でスタジオプログラムとして開発しました。
男性にターゲットすることから、訴求ポイントを「ストレス低減」と「集中力アップ」に絞り、ビジュアルも男性がスーツ姿で、オフィスで瞑想するシーンで打ち出した。
心の健康も啓発
ビジネスパーソン向けに平日夜と土日にクラスを設定していることもあり、瞑想のときに寝てしまう人も少なくない。
瞑想中に寝ることは、脳を休めるという意味ではいいものの、同プログラムでは、自分の呼吸に意識を集中し、雑念が出てきたときに、自分の呼吸に意識を戻すことを体験として身につけていくことが必要となる。プログラムの訴求ポイントであるストレスへの対処や、集中力を高めてもらうために、寝ている人には意識を取り戻してもらえるように、インストラクターが工夫して働きかけをしている。
プログラムの導入以来、狙い通り、男性の参加率は全プログラムで最高となっており、「小さいことが気にならなくなった」「継続しているうちになんとなく分かってきた」といった声が寄せられている。一方で、一般的にスタジオ参加者には、「即効性や達成感を感じたい」「汗をかきたい」といった要望を持つ方が多く、既存のスタジオ参加者には「マインドフルネス」の効果の啓発が必要となる。
吉宗さんは「『マインドフルネス』は身体の健康だけでなく、心の健康にも繋げられるプログラムなので、より多くのメンバーの方に参加いただき、日常にも採り入れていただけるよう、粘り強く続けていきたいと考えています」と話している。
【マインドフルネスヨガ~観~】
45分のスタジオプログラム。ボディスキャンに始まり、太陽礼拝とアーサナを2ポーズほど行った後に、シャバアーサナ、呼吸法、マインドフルネス瞑想を行う構成になっている。
ボディスキャンは、身体の一つひとつの部位に順番に意識を向ける瞑想の手法の一つで、「マインドフルネスヨガ~観~」では、座った状態で目を閉じ、体の各部位に意識を向けていき、その意識を向けたところにエネルギーを持たせる。
身体の各部がエネルギーをもった状態で身体を動かすと更に効果的といわれることから、その後太陽礼拝とアーサナを行う。太陽礼拝はクラシカルなシークエンスを採用。それに続くアーサナは系統が決まっており、その中からインストラクターが選んで提供する。
呼吸法は、クンバカ(呼吸を止めること)を吐く息と吸う息の間にいれる呼吸法を座った状態で行う。そのままインストラクターは「呼吸だけに意識を向けましょう。雑念が出てきたら良いものとも悪いものとも判断せず呼吸に意識を戻しましょう」と伝えて、各自でマインドフルネス瞑想に入ってもらう流れとなっている。
お話を聞いた方 吉宗真里さん
株式会社オージースポーツ、マーケティング計画部 グループエクササイズ開発チーム。1999年から店舗スタッフとしてアクアビクス・エアロビクス等の指導を開始。2006年にヨガに出会いパワー系ヨガ・クラシカルヨガ・ホットヨガ等の指導を行なう。現在は、スタジオ・プールプログラムの開発や指導者育成を手がけている。