FITNESS BUSINESS

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【NEXT 2月特集】 テクノロジーが変える ジム運営 "総合フィットネスクラブ"篇

2017.01.25 水 スキルアップ

CASE #3 東急スポーツシステム

からだステーションとは?

「からだステーション」は、フィットネスクラブの会員維持の施策をサポートするべく、豊田通商が開発したシステム。クラブメンバーは、「からだステーション」専用ウェアラブルをクラブ利用時も、日常でも着用することで、クラブ内外を問わず運動量(歩数と消費カロリー)が記録される。

データはクラブに設置された専用タブレットでクラウドに上げられる。クラブで測定する体重や体組成データも自動的にクラウドに蓄積されていき、活動量の換算数値に反映されていくことで、個人の活動量データも個別の代謝量に合わせた正確な数値になっていく。

メンバーは、クラブが企画するイベントに参加することで「エナジーポイント」を集めることができ、貯めたエナジーポイントを景品と交換することもできる。メンバーはクラブに来るたびに、自身の健康データが蓄積・統合され、いつでも、自身の目標に向けて何をどのくらいすればいいのかが明確になる。エナジーポイントが増えることも楽しみにクラブ通いを続けられることになる。

a98107c764f50252cafb102ec1c48d5cからだステーション サービス概念図

目標をシンプルな行動目標にして入会時のモチベーションを維持できる!

東急スポーツシステムが「からだステーション」を導入したのは、2015年4月。以来、新入会者全員に専用ウェアラブルを提供している。入会カウンセリング時に、個人アカウントを設定し、入会後2ヶ月間無料で利用してもらっている(その後はオプションサービスとなり月650円の利用料金がかかる)。

メンバーは、入会時のカウンセリングで、体重、体組成、血圧を測定し、目標を「健康増進」「ダイエット」「筋肉増強」の3つから選び、それぞれで数値目標を設定する。目標は、「健康増進」であれば日々の目標歩数に換算。「ダイエット」であれば、日々の消費カロリー目標に換算、「筋肉増強」であれば体組成での筋量として目標が設定され、マイページに表示される。

東急-目標設定画面目標がわかりやすいと、フィットネスが継続しやすくなる


これにより、各メンバーが、自分の目標をシンプルに認識できることになり、何をすればよいのかが明確になることで、達成へのモチベーションが維持できることになる。

特に、近年フィットネスクラブメンバーに増えている団塊世代の男性にとっては、長年の会社勤めで習慣化した「日々のタスクを達成し、記録する」というニーズがあり、それにも応えることができる。クラブに行き、データを記録していくことで、日々の行動目標が正確に明確になることで、クラブでも日常でも、何をどのくらいすればよいのかを常に確認できることになる。これにより、クラブに通う習慣ができ、目標へのモチベーションが維持できることで、フィットネスを継続できることになる。

スタッフとメンバー、メンバー同士の繋がりづくりが効果的に

東急スポーツシステムでは、特に初心者対応と、エナジーポイントの活用で、メンバーに人と人との繋がりをつくることが効果的にできることに注目している。クラブでは、来館したメンバーが「からだステーション」にチェックインすると、スタッフのタブレット上にそのメンバーの顔写真が表示され、タブレット上でプロフィールが確認できる。

利用回数と前回の来館日も表示されるため、ジムの利用 をタイムリーにサポートすることができる。トレーナーもタブレットを携帯してジムでの指導にあたることで、各メンバーの目標や利用履歴、日々の運動履歴なども確認でき、その時々で、よりパーソナライズされた本質的な指導や提案が提供できることになる。エナジーポイントは、特にメンバー同士のコミュニケーションづくりに活用している。

エナジーポイントをインセンティブとしてアウトドアプログラムやサークルへの参加を促したり、プログラムでは、仲間同士で「歩数」や「消費カロリー」などでポイントを競うことで、共通の目標を持って取り組むことができ、連帯感や達成感が得られることになる。

将来的には、ヘルスツーリズムなどクラブメンバー以外の一般生活者のタッチポイントも増やし、健康づくりの場とデータのハブとして、フィットネスクラブを活用して貰える展開に繋げることを計画している。


お話を訊いた方 髙谷篤志さん
東急スポーツシステム株式会社 運営推進部 副部長

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