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【NEXT 1月特集】フィットネス参加率を高めるための7つのヒント

2016.12.27 火 スキルアップ

4.地域資源の活用を

空きテナントとなった商店街の店舗や学校や公園、地域の飲食店、総合型地域スポーツクラブといった場所や空間、コミュニティに加え、現地の人材でスポーツや健康づくりに情熱のある者を活用して、できるだけ長くその取り組みが続く仕組みをつくり、機能させることも大切と言えるでしょう。

さらに、地域によっては独自の観光資源をもち、インバウンド需要が見込めるところもあるはずで、そうした地域では、スポーツやフィットネス、医療をコンテンツにしたサービス提供で、経済的価値の向上を実現していくこともできるのではないでしょうか。

5.メソッドはもてるか?

高齢者が、将来においてもっとも不安視していることに「認知症」があります。そうであるなら、対応としては、早めに運動習慣をもつことが必須となるはずです。特にどんな運動が認知症に効果的なのかエビデンスをとり、それをプログラム化して提供することが求められるでしょう。さらに、その効果を簡易に知る効果測定方法も求められます。たとえば、認知症と結び付いた測定指標のひとつとして、「歩行速度」があります。分速48m(秒速0.8m)を基準に、軽度認知機能障害やサルコペニアになることがわかっているので、それ以下にならないようにサポートしていく必要があるでしょう。

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6.エンタテインメント化

エビデンスなどを揃え、論理的に考えたアプローチをするだけでは、人は行動を起こしません。情緒介入型のアプローチも必要です。たとえば、ギアを使い、季節やその地域の特性に合ったプログラムを提供することもその1つでしょう。ポールウォーキングなどを組み込んだイベントは興味を惹くかもしれません。

施設型のサービスで考えるのなら、株式会社エムダブルエス日高の事例が参考になるでしょう。同社が展開する延床面積1,000坪を越える2つの大型の“デイトレセンター”には、ジムやウォーキングコース、ゴルフ、バスケットコート、囲碁・将棋、パソコン、図書館、陶芸、料理、喫茶、風呂などバラエティ豊かなアイテムとコンテンツを揃え、元気な高齢者も含め、多くの生活者が訪れて連日賑わいを見せています。

「誰かに会えるかもしれない」「今日は何をしようか」そんなふうに思えて、通うのが楽しくなるのだと思います。また、50~60代の男性と30代の女性は相性がいいらしいので、この両者が違和感なく、ともに過ごせるような空間とサービスをつくることも、これからの時代にヒットするサービス空間を創造するうえではキーポイントになるのかもしれません。

7.仕組み化と標準化

最後に「保険外サービス」のマーケティングを思いついたとしても、それをきちんとしたビジネスモデルにすることができなければ、マネジメントできず、発展させていくことができないでしょう。さらにいえば、サービスの「標準」を高めていく仕組みも必要になります。標準化の仕組みができていれば、ICTやAIを活用して、より効率的な運営、効果的なサービス提供ができるようにすることもできます。

【記事出典】
月刊NEXT 2016/January  No.118 

【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子 悟

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