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【NEXT 8月特集】“キッズフィットネス”最前線 for Baby

2016.07.25 月 スキルアップ
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子どもをとりまく環境が変化し、体力低下や身体機能の低下が危惧されるようになって久しい。そんな中、子どもたちが体力や身体能力を培う場としての家庭環境や遊びの場を、プログラムとして効果的につくりだそうとする動きが出てきている。今回は、子どもたちからも保護者からも広く支持を集めてきている最新のキッズプログラムを紹介する。

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院内&地域の子育てセミナー
“子どもの家庭環境をつくるママをサポート”

インターネットやSNSが進化して、子育てに関する情報が身近にあふれる環境になってきているものの、ママの意識の差は依然として大きく、その影響を受けて子どもたちの発育環境の差はむしろ開いています。子どもを授かることは、自分や子どもの健康について考えるとてもいいきっかけになります。子どもの健康や発育の鍵を握る家庭環境をつくるママに確実にアプローチするうえで、産院フィットネスや、地域の子育て支援センターの取り組みに注目しています」そう話すのは、マタニティフィットネスやベビービクスの企画開発と指導者育成に25年の経験を持つ小林香織さん。

近年「健康格差」という言葉が浸透してきているが、所得や学歴といった個人の社会背景によって健康状態が異なることが、子どもたちにも引き継がれていくことを危惧する。日本は世界の中でも平均出生体重が軽く、2500g未満で産まれる赤ちゃん(低出生体重児)の割合が高い国で、2013年の低出生体重児の割合は9.6%で世界一となっている。この子供たちは生まれながらにして生活習慣病のリスクが高い傾向にある。若い女性の痩せが問題となっているが、低出生体重児を産む率は痩せ傾向の女性に多く、ダイエット志向や偏った食生活などが、次世代に連鎖していくことを女性は知っておくべき、という。

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こうした危機感から小林さんが近年進めているのが、助産師さんとの連携だ。ママたちにとって産前産後に最も身近にいる助産師さんを通じて、自身と子どもの健康づくりへの意識を高めてもらおうという取り組みだ。

同様の思いで実際の地域の活動につなげているのが、助産師でベビービクスのインストラクターでもある横手直美さん。愛知県の八輪子育て支援センターや中部大学で「子育てセミナー」を実施しながら、中部大学の研究者として、子育て支援としてのベビーエクササイズの効果に関する研究も進めている。現在は、子育てセミナー参加が産後うつを予防することの効果を検証しているが、今後は、ママが子育てセミナーやベビーエクササイズに参加することが、子どもの健全な発育発達に相関するエビデンスを得て、母子のエクササイズを広く啓発していくことを期待している。横手さんはこう話す。

子どもの運動教室も増えていますが、一週間のうち数時間質の高い運動ができても、家庭環境が整っていなければ子どもの体力や身体能力を伸ばすことはもとより、健康を守ることも難しくなってしまいます。乳幼児期の家庭環境をつくるママが、笑顔で活発でいられることが原点で、その原点づくりとしてベビーやママ自身のためのエクササイズを活用していただけるように活動を進めていきたいと考えています」

インタビュー:一般社団法人日本マタニティフィットネス協会理事兼チーフディレクター  小林香織さん   
マタニティビクス、ベビービクスなど、妊婦や産後の女性 をはじめ、女性のライフステージに合わせた専門運動プログラムの企画・開発で業界を牽引してきている。

インタビュー:助産師、看護師、一般社団法人日本マタニティビクス協会認定インストラクター   横手直美さん   
インストラクターとしてベビーエクササイズのレッスンをしつつ、中部大学生命健康科学部保健看護学科准教授として妊婦や母子を対象としたエクササイズの展開方法と効果などについて研究を進めている。

パパが子どもと過ごせる貴重な時間をサポート
“パパと子どものファミリーフィットネス ”

近年共働き家庭が増え、週末に家族で参加できる習い事ニーズが高まっている。その代表格は親子スイミングで、週末クラスにはパパと子どもでの参加が増えている。その動きを受けて、スタジオを活用したエクササイズでもパパと子どもの親子クラスへの要望が増えている。キッドビクスを30年前に開発し、子どもの環境変化に合わせてエクササイズを進化させてきている渡辺みどりさんも、2010年からパパとキッズのクラスを提供してきている。

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イクメンという言葉が浸透しましたが、パパの中にはどう子どもと接していいか分からず、イクメンになれないことでストレスを抱えている人もいるようです。そこで、このクラスでは赤ちゃんの抱っこの仕方や、子どもとの遊び方を学んでいただけるような内容にしています。パパは子どもと過ごせる時間が少ない分、週末には一緒に楽しい時間を過ごしたいと思っています。

また、子どもに対してパパらしいことをしてあげたいと思う人も多い。そこで、クラスで子どもの発育についての情報を共有したり、家で子どもと一緒にできるエクササイズのお土産を用意することで、パパとしての自信も得ていただけるようサポートしています。クラスに参加されるパパたちの一生懸命な姿をママたちも嬉しそうに見ていたり、不器用なパパをママがサポートする姿には、本当に心が温まります。子どももそうした光景を目にして家族の愛情を感じられることが、何より健全な発育に繋がると思います」

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プログラムでは、子どもを高く持ち上げる「高い高い」の動きをはじめ、パパならではのダイナミックな動きを多く採り入れ、子どもがママとは一味ちがった体験ができるようにしている。また、パパの身体づくりに配慮したコアトレーニングや、身体が硬い人でも取り組みやすいストレッチの要素も組み込み、パパ自身もフィットネスの必要性を体感できる内容を用意して継続参加を促す。現在パパと子どものクラスは、児童館や自治体のイベントでの提供が多いが、今後は土日の定期開催クラスも増やして子どもの運動環境を確保することを目指している。

インタビュー:一般社団法人日本こどもフィットネス協会代表理事 渡辺みどりさん  
1986年にスタジオNAFAでキッドビクスを教え始め、1991年から養成コースをスタート。2000年にチャレンジカップをスタートするなど、子どものダンスエクササイズをフィットネスの普及に努めてきている。DVD監修、著書も多数。

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【記事出典】
月刊NEXT 2016/November No.113 

【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子  悟