FITNESS BUSINESS

facebook twitter googleplus

【NEXT 11月特集】機能改善トレーニング最前線 Vol.2

2016.10.25 火 スキルアップ

アクティブモーショントレーニング(AMT)
“視覚、聴覚、触覚と、固有受容感覚を繋ぎ合わせる”

 
アクティブモーショントレーニングAMTとは?

アクティブモーションバーを用いて行うトレーニング。アクティブモーションバーは、空洞のスチール製のバーの中に、転がるスチールのウェイト(ボールベアリング)が入っており、このボールが転がることで不安定な負荷が身体に与えられる。その不安定性を持ったバーを安定させながら動かしたり、逆に、ボールが転がることで生まれる遠心力に対して身体を安定させることで体幹部のトレーニングが可能となる。ボールベアリングの動きは、バーの表面からは見えないことから、その動きを手で感じようと触覚の認知機能が活性化され、転がる音を感じることで聴覚が活性化される。また、視覚的にはバーが安定していても、ベアリングが転がってバーが不安定にゆれることを感じるなど、感覚認知と身体の状態を感じる固有受容感覚を繋ぎ合わせることができる。これらの作用により、脳の認知機能を高めるとともに、動作を修正するための情報伝達を効果的に行えるようになる。

日常生活に活きる新発想のアクティブレジスタンス

米国では近年、水や砂などが入ったエクササイズギアが生み出されており、「アクティブレジスタンス」「ダイナミックトレーニング」として注目を集めている。ツールを動かすことで中に入っている負荷がランダムに動き、脳や筋肉に常に新しい刺激を入れるとしてファンクショナルトレーニングに活用されている。このアクティブモーションバーは、その進化系として2014年にリリースされて以来、急速に浸透している。

その普及の速さは、ファンクショナルトレーングギアとして一気に注目を集めたTRXの創業期を超えるとも言われるほど。開発は元パーソナルトレーナーで、自身が約40㎏の減量に成功した経験も持つ、デレク・ミクルスキ氏。トレーナーとして活動している中で、一般的なトレーニングに欠如しているものとして、「意識と筋肉の協調性」「体幹筋群と安定筋群のトレーニング」「ファンクショナルトレーニングのコンセプト」を挙げ、こうした要素を効果的にトレーニングに採り入れられるギアとして自宅のガレッジで開発した。これまでにパーソナルトレーナーやピラティスインストラクターから厚い支持を得ている。AMTの日本導入を推進するブラボーグループ倉岡征克さんは、こう加える。

「これまでファンクショナルギアの多くは足元を不安定にすることで、脳と体幹筋群の連動を再構築しようするものでしたが、現代の日常生活では、床面は安定していることがほとんどで、むしろ自分の身体の状態を的確に認知してバランスのいい姿勢や動きを維持することが重要です。高齢者にとっても、より現実に即して、安全に機能改善を促すことができます」

日本では今後、パーソナルトレーニングやピラティス、介護予防運動での活用に加えて、スモールグループプログラムとしても提案していくことを計画している。

インタビュー:株式会社ブラボーグループ 倉岡征克さん 

シニアヨガ
“今の身体に意識を集中すると、気づける”

シニアヨガとは?

加齢につれて硬くなりがちな肩周りや、しっかり立つこと歩くことに必要な臀部や大腿部に意識を集中させながら動いていくヨガプログラム。猫背で視界が狭くなったり、身体が硬くなることで気持ちの持ち方も柔軟性がなくなり、思い込みや思考のクセが強くなる。自分の身体に意識を向けて動かすことで、自分の身体が変っていくことに気づくことができると、気持ちも変化し、自分に自信が持てるようになる。ヨガのコンセプトである“今を生きる”ことが実践できるプログラム。

シニアヨガ

今の自分の身体が動くと気持ちも自然に動き出す

シニアヨガは、ヨガティーチャーの西岡ゆきさんがヨガレッスンを提供してきたクラスが、気づけば高齢者が多く集まるクラスになっていたことから、そのクラスのエッセンスを体系化したもの。シニア世代のヨガ参加が増える一方で、これまでシニアに特化したヨガがない状況を鑑み、カリキュラムにもまとめ、アンダーザライトで指導者育成も進めている。クラスは60分、前半10~15分はマットや椅子に座った姿勢で関節をほぐすウォーミングアップを行う。肩周りや肘、手首、指先の関節へと一つひとつ意識をむけながらほぐせるように構成している。

後半は、壁や椅子を使った、ウールドゥヴァハスターサナ、ウッターナーサナ、ウットゥカターサナ、アドームカシュヴァナーサナをはじめ、よりダイナミックな動きで、日常動作に必要な股関節周りの関節可動域や筋力を引き出していく。最後にヴィパリタカラニで動かした体を癒すようにゆったりと呼吸を感じながら脚の重さを壁や椅子にゆだねさせ、リストラティブの状態へ。一つひとつのアーサナで、自分の身体の状態に意識を集中させ、まず“感じる”ことを優先し、そこから動きに意識を向けていく。自分の身体を受け入れ、興味を持ち、いとおしく感じる、心へのアプローチが大切だと西岡さんは、話す。

「シニア向けといっても、特別扱いはせず意識を集中して身体をきちんと使うことを促します。各種プロップを活用したアーサナで、シニアの方々でも安全に行えるシークエンス組んでいますが、身体をいたわるのではなく、自分の身体に責任を持って、しっかり使えるように導く。自分の身体や体調への意識が高まると自然治癒力も高められます。ヨガの時間以外の日常生活でも自分の身体に意識を向けることを習慣にすることで、身心の変化に気づくことができる健やかさと“今を生きる”楽しさが心の豊かさにつながっていくのでしょう」

インタビュー:アンダーザライト シニアヨガインストラクター 西岡ゆきさん

>アンダーザライトの養成情報はこちら

フィットネス総合オンラインショップ人気バイヤーが厳選した最新アイテムを多数掲載!
buyers-head

【記事出典】
月刊NEXT 2016/September No.116 

【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子  悟

< 前のページ2 / 2次のページ >