FITNESS BUSINESS

facebook twitter googleplus

【NEXT 9月特集】フィットネス・スポーツ業界で活躍する 栄養士の食事指導法 for Fitnsss

2016.08.25 木 スキルアップ

フィットネスやスポーツ分野での、栄養や食事の重要性が広く認識されてきたことで、この分野で活躍する栄養士が増えている。ここでは栄養士としての専門的知識や経験はもちろん、いかにフィットネスやスポーツをする人たちに適切な食事習慣を続けてもらえる環境がつくれるかが重要となる。 今、フィットネスはスポーツ分野で活躍している栄養士が、どのようにそれを実現しているのか。その具体的メソッドと継続手法を探る。

Fitness Situation

手ばかり食事法
“食事の適正量とバランスが分かる”

栄養士の活躍の場が広がり、近年フリーランスとして、さまざまな分野で食事指導や栄養指導にあたる働き方を選ぶ栄養士が増えている。成島真理さんはその一人。栄養士としてダイエットしたい人の力になりたいと、アプリや、ヘルスケアモバイル「FiNCダイエット家庭教師」のサービス開発に携わる。その一方で、「RUNART足の治療院」にてランナー向けの食事指導や、専門学校のスポーツトレーナー科でトレーナーを目指す人に食事や栄養の講義をするなど、活動の幅を広げている。

その成島さんが食事指導で活用しているのが「手ばかり食事法」。手で立体的に食事の適正量を把握することで、かんたんにバランスのとれた食習慣に近づけることができる。

finc%e2%91%a0

finc%e2%91%a1

成島さんはこう説明する。「ダイエットを目的にする場合も、アスリートの場合も、食事のバランスがとても重要です。ダイエットしたい方の場合は、カロリー計算をすると、カロリーにこだわり過ぎて必要なものまでカットしがちです。アスリートの場合は逆に、たんぱく質をはじめとする栄養素にこだわり過ぎることで、バランスを崩しがち。バランスがとれた食事ができている方は意外に少なく、バランスを修正するだけで身体が変わることを実感していただけるのです」

成島さんは学生時代に陸上部に所属。高校1年時のある日、突然練習についていけなくなりその後3ヶ月程思うように走れなくなってしまった経験がある。このときスポーツ性貧血を患っていたが、その原因が食事とは夢にも思わなかった。走ることと同じくらい食べることが好きで「しっかり食べている」という自負があったからだ。食事量こそ多かったものの、炭水化物に偏った食事をしていたことで栄養バランスが乱れ、貧血を招いたのである。このとき初めて食事の重要性を痛感したという。管理栄養士となった今も、アスリートやトレーナーに栄養バランスの重要性を伝えたいと活動を続ける。

「食事指導については、アプリが多種多様に開発されていて、栄養士の指導の人工知能化が進められています。ですが、逆に栄養士がアプリを活用したり、アプリの開発やサービス提供に携わることで、優れた栄養士のコミュニケーションを学ぶこともできます。今後も、より多くの栄養士がフリーランスとして仕事の幅を広げられたり、自分らしい働き方を見つけて、長く多くの方をサポートできることに尽力していきたいです」

インタビュー:フリーランス栄養士 成島真理さん 
専門学校卒業後、給食やフィットネス業界で実務経験を積み、2014年独立。現在はランナーの栄養サポート、ダイエットカウンセリングを中心に、セミナーや専門学校講師、ランニングイベント等の軽食調理、アプリ開発など活動の幅を広げている。また、新たに家庭をもつ女性向けに「食の花嫁修業プログラム」を企画。料理や栄養学など、ライフスタイルやライフステージに合わせた食の楽しみ方を提案している。

ライザップ式食事指導法
“2ヶ月で食習慣を改善する”

「結果にコミットする」ダイエットサービスとして支持者を広げ続けるライザップ。経済アナリストの森永卓郎さんをCMに起用したことをきっかけに、生活習慣病を抱える中高年クライアントが急増。生活習慣病を抱えた人にも、より安全に効果的なサービスを提供するために、2016年から各店舗に1人以上のメディカルトレーナーを配置し、各種の生活習慣病を持つ人への対応を進めている。現在ライザップは全国79店舗を展開しており、提携医療機関数は109ヶ所。

店舗周辺の医療機関との連携の拡大や、メールにて提携医師に相談できる環境を整備するなどして新たなヘルスケアニーズに対応できる体制づくりを進めてきている。管理栄養士としてサービス開発に携わる山田彩華さんはこう話す。「生活習慣病を抱える方は『医者に痩せろと言われて来ました』という方がほとんどで、ライザップに行けば痩せられることを期待していらっしゃいます。肥満と関連する生活習慣病といえば、糖尿病、高血圧、血症脂質異常症、通風・高尿酸血症があげられますが、それぞれの改善には低糖質食事法よりも効果的な方法 があります。例えば、高血圧、血症 脂質異常症ならコレステロールや脂肪の制限、通風・高尿酸血症であれ ばプリン体の制限などです。そこで、ライザップでは、その方に合ったよりよい食習慣の習得、継続できるようサポートしています」

rz1

rz2

>RIZAPの求人採用情報はこちら

ライザップで食習慣が変えられるのは、3つのサービスが連携して2ヶ月間クライアントを完全にサポートするからだ。3つのサービスとは、①ライザップタッチを使った食事記録、②報告担当トレーナーによるマンツーマン指導、③いつでも専門家に相談できる栄養サポートセンターである。カウンセリングでは睡眠や排便などについても確認し、確実な効果に繋げられるよう生活習慣づくりもサポートする。

「これまでライザップのサービスを受けた人の多くはダイエットサービスを受けた後も、糖質に気をつける習慣がついたことで減った体重を維持されています。現状では生活習慣病の指導の担い手は自治体や企業が中心で、健診後や月1回のカウンセリングだけでは結果に繋がらない現状があります。今後はライザップのサービスを、“生活習慣を改善するサービス”として位置づけ、ヘルスケア分野にポジショニングする取り組みを進めていきます」

インタビュー:RIZAP株式会社 教育ユニット 山田彩華さん
大学を卒業後、病院に就職し給食管理、栄養指導に携わる。生活習慣病の改善や予防に興味があり、2015年RIZAP株式会社入社。多くの方の健康に対する悩みや栄養相談に多く携わっていきたいという思いから、故郷である郡山店でカウンセラーとして1年間勤務。2016年4月から、本社勤務となる。ゲスト様の栄養相談、商品開発、大学との合同研究に携わり、管理栄養士として幅広い分野に携わっている。

<次ページ:時間軸の食事で体調を整える >

< 前のページ1 / 2次のページ >