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Fitness Business 62 ◎ September-October 201220注 目 の 動 き導入広がる“ゆがみ”チェックサービス—新規顧客開拓に期待News & Trends身体のゆがみチェックおよび改善指導などを新たなサービスとして導入する企業が増えてきている。ここでは、2企業の取り組みについて紹介する。ザ・ビッグスポーツ、新たに子ども向け “ゆがみ”チェックサービスを開始株式会社ザ・ビッグスポーツでは、今夏のスイミングスクールより子どもに対してゆがみチェックを実施。幼少期の時点で対応することでさらなるゆがみを防ぎ、子どもの健全な発育と新しい顧客の開拓へはずみをつけようとしている。同社では、姿勢改善を目的にしたオリジナルプログラム『姿勢プラス』やカラダのゆがみを測定する『姿勢測定器PA200』を開発。9年前より、姿勢&スポーツクラブを立ち上げ、姿勢測定結果をもとに個別に指導する『姿勢に注目し特化したサービス』を大人の会員に提供し、会員満足と新規顧客開拓につなげていた。しかし、大人だけが対象では本当の意味で“特化したサービス”ではないと感じていた。そこで、対象をスクール生にも広げることで、子どもの健全な発育と新規入会のきっかけにしようと考えた。実際、最近では子どもの姿勢が危ぶまれており、身体のゆがみを放置したままでいると自律神経のバランスが崩れ、集中力や体力の低下、イライラなどを招き、カラダの不調を訴える子どもが多くなっている。ゆがみを取り除くことによってこれらの症状が改善されるほか、運動のパフォーマンス向上なども期待できる。また、身体の筋肉バランスもよくなるため、きれいなボディライン形成にもつながる。大人になってからでは、長年の生活習慣によりゆがんだ身体を矯正するには時間もかかるが、子どものときからゆがみをチェックし正しい姿勢を意識させることで、ゆがみの早期改善と健康な身体づくりにもつながると考えたのだった。同社では、導入前にまずは一般の方の興味の程度を測ろうと、今夏の短期教室(スイミング・体操)に通うお子さまに無料でゆがみチェックサービスを開始したところ、保護者の方から予想以上の反響を得た。第一期〜第四期までのスクール生のほぼ100%がこのサービスを受けたのだ。お子さまは、床に書かれた足の絵に合わせて立ってもらうだけ。それをスタッフが写真に撮り、レッスン最終日にその写真が載った「姿勢カンタンチェックシート」という結果が渡される流れになっている(写真1参照)。そのシートにはQRコードが掲載されており、携帯電話で読み込むとYouTube上でゆがみを改善するエクササイズを見ることもできる。同社営業本部営業統括部課長の箕輪龍一氏は「このサービスを提供するうえで意識していることは、お母さまたちに説明するときに、お子さまの『姿勢が悪いですね』とお伝えしないようにすることです。“悪い”というネガティブな言葉を聴くことで『姿勢を正しなさい』といったニュアンスになりがちです。これでは、本来伝えたいことが子どもたちには伝わらず、心理的な負担になるだけです。『姿勢が悪いなぁ』と思えても、子どもは無意識にラクな姿勢でいることが多いようです。お母さまには『なぜ子どもがその姿勢でいるか?』を意識して探していただきたいのです。例えば、日常生活のサイクルに偏りがないか? 普段の座り方に特有の癖がないか? 荷物の持ち方やカラダの使い方に偏りがないかなどを意識していただくと、子どもの姿勢に影響を及ぼすことが見えてきます。このようなことを、クラブ、お子さま、そしてご両親が一緒になって意識して、姿勢力を高めることを目指しています」。自分の子どもの健全な発育は親ならば誰もが願うこと。視覚的に子どものゆがみを認識することで、母親たちの興味も高まる。今後はクラブに入会しているお子さまたちに定期的にチェックを行い、その改善具合も見られるようにしていく予定である。実際に「今後もチェックしてくれるなら」ということで入会された方もいる。秋からは体操レッスンやスイミングレッスンの前に10〜15分間の姿勢力をアップする運動プログラムも始める。ゆくゆくは、親子そろって参加できる姿勢測定会や子どもの成長に役立つ姿勢セミナーなども開催予定だ。箕輪氏は、「将来は『ビッグ・エスに通っている子どもたちは姿勢がよく、元気があるね』と言われるようになったら嬉しいです」と話していた。まだ始まったばかりの取り組みであり、その効果検証はしばらく先となろうが、近年問題視されている子どもの体力低下や肥満解消などには確実に効果がありそうだ。同社の新しい取り組みに期待したい。◆写真1

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