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September-October 2012 ◎ Fitness Business 6217「密度の濃い人生」実現へ、70歳から始めたトレーニング鳥越俊太郎氏×ケビン山崎氏特別講演会抄録2012年7月17日(火)、六本木アカデミーヒルズ49タワーホールにて、長年キャスターとして活躍している鳥越俊太郎氏と、現在その鳥越氏のトレーニング指導を行っているトータル・ワークアウト代表であるケビン山崎氏の対談が開催された。70歳を迎えてからトレーニングを始め、「人生が劇的に変わった」という鳥越氏。具体的なその変化と、ケビン山崎氏がどのような指導を行ったのかを、ご紹介したい。71歳を迎えた現在もテレビ番組における司会のほか、講演などで全国を飛び回る鳥越氏。現在の快活な姿からは想像もつかないが、2005年に大腸がんという大病を患い、そこから肺転移、肝臓転移により4度の手術を乗り越え、病を克服した経験をもつ。鳥越氏はこの経験をきっかけにそれまでの生活を見直し、自身の身体と健康について意識するようになったという。「がんを克服し、古希(70歳)を迎えるにあたってその後の人生についてよく考えたときに、このままでは悲惨な将来が待っているのでは、と感じたのです。なぜなら、60代半ばから自宅では絨毯でよくつまずいたり、テーブルをよけて歩いたつもりが、角に身体をぶつけたりすることが増えていました。要するに、自分のイメージ通りに身体が動かなくなっていることに気づいたのです。そこでトレーニングの必要性を感じました」。しかし、鳥越氏本人はトレーニングのためにどこかのフィットネスクラブへ入会しようと考えるほどのモチベーションはなく、漠然と考えていた程度だった。その一方で、話を聞いて乗り気になったのは周囲にいたスタッフたち。すぐにトータル・ワークアウトに申し込みをしてくれたという。入会当初の鳥越氏について、ケビン山崎氏は次のように言っている。「’10年の3月の入会時点では、スクワットを行っても3回ぐらいで足が震えてきてしまうほどの筋力しかありませんでした。それが現在では、特に背筋など、当初の20%から110%まで向上しています。さらに、身体の変化に伴い内面にも変化が現れました。もともとチャレンジ精神旺盛な方ですが、最近では『マラソンに挑戦しようかな』とまでおっしゃられるようになりました」。トレーニングを始めて以来、鳥越氏は入浴後に自身の身体の変化を鏡で見ることが楽しくてしようがないという。しかし、それ以上にトレーニングの効果を感じたのは身体の“動き”だった。「動作にキレが出たうえ、自分のイメージ通りに動けるようになり、毎日の行動がとても楽になりました」(鳥越氏)。では、ケビン山崎氏は具体的にどのようなトレーニング指導を鳥越氏に対して行ったのだろうか。「当ジムが一番大事にしている『最大の結果を、最短で出す』というポリシーに基づき、重点的にももの付け根にある大きい筋肉を意識してトレーニングを行い、より早く下半身の筋力を強化するよう取り組みました」(ケビン山崎氏)。また、鳥越氏はそのようなトータル・ワークアウトでの指導について、「一つひとつのトレーニングに対して理論的な裏付けを説明してくれたことがモチベーションアップにつながった」と述べている。丁寧な説明により、どこの筋肉をどのように使えば鍛えられるのかが理解できたため、意識してトレーニングを行うことができたのだ。正しく行えば、きちんと効果も現れる。それにより、運動初心者に多い挫折もなく、鳥越氏はとても楽しくトレーニングを続けられたそうである。これはフィットネスクラブでお客さまを指導する際にも参考になろう。「身体が若返れば心も若返る」(鳥越氏)。トレーニングにより心身ともに元気になれば、その後の人生を豊かにできる。これからの人生のテーマは「残りの人生をいかに充実させるか」だという鳥越氏は、それがトレーニングによって実現できそうなことを感じている。年齢を感じさせない若々しい雰囲気は、トレーニングの効果が身体に対するものだけではないことを、物語っていた。注 目 の 動 きNews & Trends聴衆の中に著名人の姿も見受けられた講演は、終始和やかなムードにつつまれていた

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