『フィットネスビジネス』 No.51
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Fitness Business 51 ◎ November-December 201072商品研究Hit Itemパーソナルトレーニングフィットネスクラブの顧客単価が下がっているといわれている現在、顧客に付加価値を提供して付帯収入をあげることが、クラブにとっては1つの重要課題となっている。パーソナルトレーニングは課題解決の1つの策となろうが、そのためにはお客さまにわかりやすいアプローチをすることや、体組成計などのツールを用いて効果を明確にすることが求められる。質の高いサービス =パーソナルトレーニングではない鈴木岳氏はまず、フィットネスクラブの経営者に対して「最も質の高いトレーニング指導=パーソナルトレーニングなのだろうか」と投げかける。同氏は、今クラブにとって一番大事なことは、いかに質の高いトレーナーを常駐させることができるかであり、「質の高いトレーナー=パーソナルトレーナー」ではないという考えをもつ。パーソナルトレーニングで売り上げを伸ばすよりも、まずはトレーナー全体の質を高めることが、会員さまの満足につながる。そのなかで、より特別な個人のトレーニングプログラムを求める会員さまがパーソナルトレーニングを受けることが理想だ。「トレーナーの質が高ければ、パーソナルトレーニング指導はもちろん、1対複数のグループレッスンやトレーニングエリア全体に向けたフロアサービスも可能になります。しかも、今までよりも高い質でそれらのサービスを提供できるのです」鈴木氏の見解では、会員さまが求めているのは、一人ひとりの身体に関する質問や要望に対して、スポーツ医科学的な視点から答えてくれる専門的知識をもったトレーナーである。会員さまそれぞれのニーズに合ったトレーニングを提供することが、トレーナーの役目だ。「パーソナルトレーニングは会員さまのニーズにお答えする方法のひとつに過ぎず、それはフロアのサービスでも可能です。すべては、“人材の質”次第だと思います」フィットネスクラブはまず、常駐するトレーナーの質を高めることが最優先で求められている。Opinion 1 株式会社R-bady project 代表取締役 鈴木 岳Opinion 2 株式会社リアルフィジカルトレーナーズ 代表取締役 西原正成氏トレーニングスキル、接客力の優れた トレーナーが参加者を増やす西原正成氏は、クラブにとってパーソナルトレーニングを行うことの一番のメリットは、退会の防止につながることだと考える。そのためには、パーソナルトレーニングのよさを知ってもらい、誰もが受けられることを訴求することも必要だ。参加のハードルを低く設定することで多くの会員さまが参加しやすくなり、定着につながりやすくなる。「例えばパッケージ商品をつくって低価格で提供することは、認知度の向上につながり、パーソナルトレーニングの入口として有効だと思います。そこでよさを知ってくださった方に、それに付随した新しいサービスを売っていけばよいのではないでしょうか」認知度を高めるためには、現場にいるトレーナーが率先して会員さまに伝トレーナー商品のパッケージ化、webの充実で認知度を高めるフィットネスクラブがパーソナルトレーニングの参加率を上げるために、今するべきことは何か。トレーナーの派遣や育成を行っており、自身もパーソナルトレーナーとして活躍している方々にお話をうかがった。えることが大切である。会員さまはパーソナルトレーニングを受けるうえで、トレーニング技術よりもコミュニケーション能力を重視している。通常のトレーニングをしているときから会

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