『フィットネスビジネス』 No.51
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Fitness Business 51 ◎ November-December 201062館:そうですね。マシンを使うことによって、一般生活者でもファンクショナルなトレーニングが高い精度でできるようになるところもよい点ですね。また、高齢者の健康維持や介護予防といったトレーニングが安全に提供できることも魅力のひとつだと思います。またこのマシンを使って怪我をすることはほぼないでしょう。実際のシーンでは、多くの方がこのマシンに親しみやすさを感じて近付いてきます。―ありとうございます。 てスクワットやランジのような動作をしながらクランクを回し続けるといった動きなど、バリエーションも豊富にあります。腕の力を抜いて大きく、丁寧に綱を引くように肩を使って回すとすごくいいフルボディトレーニングになります。このトレーニングを山下トレーナーがケアしているアスリートたちに見せたのですが、皆すごい関心を示しました。―トレーナーの指導力次第で、クリエイティブなプログラムが提供できそうですね。「インクルーシブ」とは、老若男女、体力レベルや身体状態に関わりなく、誰がどんな状態でも利用できることを表す。ここでは、クランクサイクルを使ってトレーニングを始めた車椅子テニスプレーヤー、岩田守氏の取り組みを紹介したい。クランクサイクルを幅広く活用している松田整形外科記念病院(北海道・札幌)内の「メディカルフィットネス C-Link」にその活用法や利点を訊いた。日野自動車にフルタイムで勤務しながら、プレーヤーとして車椅子テニスを続け、現在日本のトップランク選手となっている岩田守氏。テニスを始めたのは、23歳のときに勤務中の事故で負傷し、車椅子の生活となってから。これまではテニスの実践形式の練習を中心に行ってきていたが、このクランクサイクルに出会ってトレーニングを始めてみたところ、「一遍で魅せられた」という。テニスパフォーマンスの動きに近く、競技力向上につながりそうな感じがしたことに加え、「筋肉痛になるかと思ったら、(体幹や背部を中心にファンクショナルな動きをしていることから)それほど筋肉痛が残らなかったこともよかった」という。現在は、プライムエデュケーションの日本橋スタジオで定期的にトレーニングを行っているが、今後は所属の自社工場付属のトレーニングルームに置いて、毎日トレーニングをしていく計画をもつ。岩田選手は、現在世界ランクで50位前後、日本ランクで5位前後であるが、このクランクサイクルでトレーニングを重ね、パワーをつけてランキングを上げていくつもりだ。そして「2012年のロンドンのパラリンピックへの出場枠を得たい」と思っている。ぜひ出場してほしい。当施設は、パーソナルトレーニングを中心にメディカルフィットネスという観点から、さまざまな対象者に対応できるハードのツールとして「クランクサイクル」を導入している。具体的には、患部アプローチ前のウォーミングアップを中心に、有酸素運動や患部以外の全身コーディネーションとしてのコアトレーニングのひとつとして、またハートレイトを使用してのインターバルトレーニングなどを行うコンディショニングのひとつとして、クランクサイクルを使ったトレーニングを行っている。そのほか、回復に向かっては座位から立位に変更して、下肢のトレーニングへ移行していくように使っており、さまざまなスタイルで多様なプログラムの提供を行っている。同施設統括トレーナーの小柳利哉氏は、次のようにクランクサイクルの利点と展望を語っている。「以前から、クライアントに下肢疾患や肥満を抱えた方が多いにも関わらず、日本の施設では、アッパーマシン導入率が低いと感じていました。この『クランクサイクル』はニーズ性が高いと実感しています」。今後、同施設はさらにプログラム開発を行い、クランクサイクルの台数も増やしていきたいと考えている。トレーニング中の車椅子テニスプレーヤー 岩田守氏Inclusive2012年のロンドン・パラリンピック出場を目指す車椅子テニスプレーヤーも活用Medical Fitnessロコモティブシンドロームからアスリートのリハビリまで幅広く対応最新ヒットプログラム

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