『フィットネスビジネス』 No.51
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13November-December 2010 ◎ Fitness Business 51IT技術を通して、健康な社会を実現「コンティニュア・ヘルス・アライアンス」、日本で本格始動2010年10月に幕張メッセで行われた「CEATEC JAPAN 2010(以下、CEATEC)」で、「コンティニュア・ヘルス・アライアンス」が初めて一般消費者向けに製品を発表した。「コンティニュア・ヘルス・アライアンス」とは、人々や組織が、健康やライフスタイルをより効果的に管理できるように、IT技術と健康管理機器の相互接続を実現するためにつくられたNPO法人で、2006年6月に発足。同組織のつくる仕組みの概要について、日本地域委員会代表企業のインテル株式会社・田上信介氏にお話をうかがった。IT技術と健康管理機器をつなぎ、 健康を支援世界的な高齢化の進行や過剰体重、慢性疾患の増加を受け、NPO法人コンティニュア・ヘルス・アライアンス(以下、コンティニュア)が2006年6月に22社で発足した。今後、ケアが必要な人が増えていくなかで、ITの技術を利用することが効率化につながるという判断から、健康管理機器の標準的な接続規格を設けることが必要になると考えられたのだ。参加企業は徐々に拡大し、現在は約230社が参加している。活動の目的は、①積極的な健康管理、②慢性疾患管理、③高齢者の自立生活補助の3つの柱から成り立っている。この3つを実現させるために、コンティニュアはIT技術と健康管理機器をつなぐためのガイドラインの作成や、マーケティング活動などを行っている。参加企業は、厳密な相互運用のためのガイドラインに沿って製品をつくり、ほかの対応製品との相互運用性が認証された製品には、消費者にわかりやすいロゴマークをつけている。既存製品に機器を付帯し、 コンティニュア対応させる前出②③に該当する医療分野では、すでに運用が開始されており、介護事業者による利用や自治体による地域住民の遠隔健康管理などが行われている。①に該当するフィットネスの分野では、まだ現場での運用はされていないが、CEATECでタニタの体組成計、アライブのBluetooth対応ゲートウェイサーバー、ヒューマンアセンブラの運動履歴収集システム「FITREC」やCSAFE(FISAが定めた、フィットネス機器と外部機器とのデータ通信規格)端子搭載の運動機器から成るフィットネス向けのシステムが発表された。タニタの体組成計で測定したデータは、ゲートウエイサーバーを介してインターネット上のサーバーに送信される。一方、サイクリングマシンなどの運動機器にはFITREC子機を装着し、FITREC親機を介してデータをサーバーにアップロードする。収集した体組成データと運動データをサーバー上で統合して、作成したグラフデータをパソコンで閲覧する仕組みだ。CSAFEはテクノジム、プリコー、ライフフィットネス、スタートラック、サイベックスのマシンに搭載されており、FITRECと接続すれば個人識別と運動履歴を取得できるシステムである。個人認証できるICカードなどを利用して、コンティニュア対応の機器やマシンを利用したときに、それらがデータとして一元化できる仕組みになっている。対応製品の拡大で 健康管理が簡単に同組織がつくっている仕組みを利用すると、コンティニュア対応の体組成計、血圧計、フィットネス機器などの健康管理機器で測定されたデータを、パソコンや携帯電話などコンティニュア対応のIT機器でどこからでも閲覧できるようになる。従来の機器でもインターネットを通じたデータの照会が可能なものはあったが、この取り組みの特徴は、コンティニュア対応製品であれば複数メーカーの機器のものでも、ひとつのデータとして閲覧できることである。これらの機器と同時に、「gooからだログ」や「ママCafe」などのコミュニティサイトもコンティニュアの仕組みを反映できるようになり、使い方はますます多角化していくことが見込まれる。さらに今後、家庭用のコンティニュア対応機器が充実していくと、ますます用途が広がり、コンティニュア対応製品の需要は高まっていくことだろう。インテル株式会社 事業開発本部 デジタルヘルス事業部 事業開発部長 田上信介氏2010年10月に幕張メッセで行われた「CEATEC JAPAN 2010」では、コンティニュアのブースに5日間で約20,000人が訪れたJapanNews & Trends注 目 の 動 き

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